にけニッキ

ねこの14日間

自転車と蕎麦屋

今日は一時間ぐらい散歩をした。
自転車奪還の使命を抱えながら。

先週、運悪く自転車回収車に
自転車を持って行かれてしまった。
適当においた私も悪いが
たまに使った結果がこれである。
運が無かったとしか言えない。

本当はバスで行く予定だったのだが
あんまりにもバスが来ないので
散歩がてら歩く事に決めたのだ。

散歩途中様々な面白おかしい
街の一角を垣間見た。

癒しのBARと看板を掲げ
窓には怪しげな柄のカーテンが
垂れ下がる店。

真昼間からカラオケスナックに
入って行くおじさん。

やたらとアピールしてある床屋。
事故ったのかコンビニの駐車場で
中々の傷を手当する男の子。

それぞれがそれぞれの
日曜日を過ごしてる。
私もそのうちの1人だ。
それが何だか楽しい。

自転車置き場のおじさんは
吃驚するぐらい優しかった。

自転車収集処に行くまでに
お昼を食べる場所も探していた。
出汁も蕎麦も自家製という
言葉に惹かれ、街の蕎麦屋に入った。

木製の椅子、お座敷、振り子時計に
手書きの張り紙、当たりの店だ。

張り紙には「喫煙は気配り、目配り
心配り」と書かれていた。
自筆だろうか。

待つ事数分、笑顔のおばちゃんが
天ぷら蕎麦を持ってきてくれた。
美味しい。くどく無い甘みの汁。
さっくりしたナスの天ぷら。
海老は味がぎゅっと詰まってる。

きっとバスで来てたら
気付かなかった。
こんなに美味しい蕎麦屋がある事も
可笑しなBARがあることも
蕎麦屋を出て、
梅の花が咲いていた事も

小さなブラウン管のTVが
畑に捨てられてあった事も

ひと気の無い寂れた独特の
雰囲気を持つマンションで
写真を撮る事も無かった。

今日はとっても楽しかった。
だから散歩が好きなんだ。