にけニッキ

ねこの14日間

家庭の味

家庭の味は何かと聞かれ
一番最初に思い浮かぶものは
卵巾着だ。

 
湯通しした油揚げを半分に切り
中を開けると丁度、巾着みたいな見かけになる。
そこに生卵を落とし入れ
爪楊枝で口を締める。
あとは甘醤油でクツクツ煮込むだけ。
 
この料理は母の母、
祖母から受け継いできたもので、
私はこの料理が大好きだ。

私だけじゃない。私の姉妹や、
父や、祖父や、姉の恋人も私の恋人も大好きな料理だ。
卵アレルギーの人以外は絶対好きになる
自信があるくらい万人受けする料理。
 
そんな愛着のある卵巾着は
いつしか母の味を離れ
アレンジを加えた私の卵巾着になっていった。
 
そもそも母はとても大雑把なので
味は安定しないし、レシピも分量もわからないので
自分流になるのは当たり前の話ではあるけれど。
 
私の卵巾着は、卵と挽肉の2種の巾着。
これは恋人に出す時、流石に卵だけじゃなあ…と考え、
思いつきで入れてからずっとこの形に。
 
ちなみに姉は卵だけの巾着で、
一緒に大根を煮込むそうだ。何と無く姉らしいなと思った。
 
私の家には伝統はなければ、
家族で一緒に何かすることも殆どないけれど、
この卵巾着があれば何と無くそれでいいかなとたまに思う。